施設長挨拶文
今の日本社会においては、核家族世帯の増加や少子高齢化が進行し、介護や子育てなどで困った時に、家族自らが解決できるケースは少なくなってきています。また昨今では育児と親の介護等が重なるダブルケアも増加し、働き盛り世代の方が、親の介護の為に会社を辞めざるを得ないという介護離職も社会問題化し、高齢者を支える世代の負担は経済的、精神的にも今後益々増加していくものと思われます。
この様に家族としての機能が刻々と変化していく中で、支援が必要な高齢者の方たちが住み慣れた地域で安心して生活していく為に、国は「地域包括ケアシステム」の構築を強力に推し進めています。
介護老人保健施設は、病院と自宅との中間・通過施設として、永くその役割が求められてきました。しかし平成24年度の介護報酬改定においては、介護老人保健施設の在宅復帰機能が評価される事となり、より一層の「在宅復帰」「在宅支援機能」の強化が求められる様になりました。介護老人保健施設が在宅復帰に積極的に取り組む為には、入所中におけるリハビリテーションの強化はもとより、在宅支援機能としての通所リハビリテーションやショートステイ、訪問リハビリ等の機能を強化しなければ在宅復帰も思う様に進みません。当苑に入所して頂きますと、まずは介護保険を利用した4日/週の集中的なリハビリテーションを3ヶ月間にわたり受けて頂き、ADL(日常生活動作)の更なる向上を目指していきます。その後も、利用者さんの生活目標に応じ、在宅復帰、もしくは施設入所に向けたリハビリテーションをスタッフ一丸となり取り組んで参ります。一方、ややもすれば単調になりがちな入所生活に対し、リハビリテーションとは別にレクリエーションを専門的に提供するスタッフを2名配置し、各フロアー内やリハビリ室において、頭や体を使ったレクリエーションも毎日提供させて頂いております。自宅に退所された後には、当苑併設の通所リハビリやショートステイをご利用頂き、入所時と変わらないリハビリテーションを受けて頂く事も可能です。また万が一、治療が必要となった場合においても、同一法人の川島病院において外来ならびに入院治療をフォローさせて頂く体制も整えております。
この先も引き続き「在宅復帰」「在宅支援機能」の強化を図るべく、地域における医療や介護事業者と緊密な連携を図り、尾張旭市内における地域包括ケアシステムの拠点施設となる様、定められた方向性を見失わず職員一丸となって努力して参る所存です。ご支援の程、宜しくお願い致します。
(医)和光会 介護老人保健施設 清風苑
施設長 田中 稔彦